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日本で事業活動を行うには

外資系企業や外国人の方が日本で本格的に事業活動を行うには、まず拠点を設ける必要があります。
日本に拠点を設立する形態は下記表のように、それぞれ設立する拠点によって、事業活動の範囲が異なりますので、まずはどのような拠点を設置するかを考える必要があります。一般的に拠点は「駐在員事務所」、支店(本国外国企業の営業所)、株式会社の3つの形態が多いようです。
本国から代表者が新たに入国する場合はビザに関する手続きがありますし、拠点設置後は運営に関する様々な手続きが発生します。

拠点形態の種類

日本に拠点を設立する場合、日本での活動内容や税金のことも踏まえて以下のいずれかの形態を選択することになります。

拠点の種類
駐在員事務所 支店(外国会社営業所) 株式会社 合同会社(LLC) 有限責任事業組合(LLP)
ビジネス活動 ×
登記
資本金 最低資本金の制限なし
代表取締役 −(代表は必要) 1人以上 法定役員なし
取締役 1人以上 法定役員なし
監査役 1人以上可 法定役員なし
法人税の課税範囲 国内源泉所得 全世界所得 構成員の国内源泉所得に対して課税
会計処理 本国所得との合算処理 日本法人の会計処理で完結
本国の送金に関する課税 法人税徴収後の送金に関しては、課税なし 配当金・利子・ロイヤルティーに対する源泉徴収課税
訴訟 本国法人へ及ぶ 原則、本国法人へ及ばない
設立に係る期間 約3週間〜1ヶ月 約1ヶ月〜1ヶ月半 約1ヶ月〜1ヶ月半 約2〜3週間

※個別のケースにより異なる場合があります。

日本進出までのフローチャート

例えば、現在、外国企業に在籍する外国人の方を日本支店の代表にして、日本で法人の拠点を設置し、同時に代表者についてのビザ取得を行う場合は以下のような流れになります。

短期滞在ビザにより入国(短期滞在ビザは期間15日、30日、90日)

日本での拠点設立(会社運営を開始する)ための調査・準備 (住居の賃貸、外国人登録、事務所の賃貸借契約など)。
【※短期滞在ビザは期限が短いので、駐在員事務所を設立してしばらく市場調査や準備をする場合は、居住地を決めて、市区町村に外国人登録をしてから、「企業内転勤」の在留資格認定証明書交付申請をして、本国で査証(ビザ)をもらってから、再来日してください。】

日本での拠点設立・設置(外国会社営業所設置登記申請→法務局)


設立完了
(社会保険、労働保険手続、税務署への届出、日本銀行への届出・報告)

会社または法人の登記簿謄本、その他、立証資料を揃えて、 在留資格認定証明書交付申請→入国管理局
※「投資経営」もしくは「企業内転勤」の在留資格を申請します。


ひとまず本国に帰国

在留資格認定証明書交付→在留資格認定証明書を添付して本国の日本公館に査証(ビザ)申請。

ビザ発給を受けて、日本に上陸、空港での上陸審査を経て、無事入国。


会社運営開始

駐在員事務所について

外国企業は本国会社への情報提供、広告・宣伝、市場調査、基礎研究、本国会社のための資産購入と保管などのために、駐在員事務所を開設することができます。 このような事務所の開設は、承認・届出・登記などの手続きの必要はありません。日本で本格的に営業を始める前の下準備の拠点として、設置することができるため、日本進出の前段階においては、コストの節約の観点からも適しているかもしれません。
。駐在員事務所の名義で、銀行口座を開設すること、不動産を賃借することは、通常できませんので、外国企業の本社または駐在員事務所の代表者など個人が代理人として、これらの契約の当事者となります。 在留資格は「企業内転勤」となりますが、申請の際に事業の継続性、安定性の証明が必要です。

外国企業の営業所について

外国企業が日本で継続的に営業活動を行う場合、支店や支社を設立する場合があります。 支店・支社の設置は、外国企業が日本において営業活動の拠点を設置するための最も簡便な方法です。支店・支社を設置するためには、会社法八百十七条により、支店としての活動拠点を確保し、支店の代表者を定めた上で必要事項を登記しなくてはなりません。 従業員や代表者が本国から来日する場合などは、「企業内転勤」のビザや投資・経営ビザを取得しなくてはなりません。

非居住者個人または外国法人である外国投資家が、国内に支店、工場その他の事業所を設置する場合は対内直接投資に当たるので、日本銀行を経由して、財務大臣および事業所管大臣に事後の報告または業種によっては、事前の届出をする必要があります。 (支店の名称、所在地、事業目的、代表者氏名など、投資した日から15日以内に届出)また、支店を設置したら「外国会社」として日本における代表者を定めた上、3週間以内に、会社法に基づき、外国会社としての登記をしなくてはなりません。登記が完了するまで営業活動することができません。支店は、外国企業の権限ある機関によって決定された業務を日本において行う拠点であり、通常は単独で意思決定を行うことを予定されていません。法律上は支店固有の法人格はなく、外国企業の法人格に内包される一部分として取り扱われます。したがって、一般的に支店の活動から発生する債権債務の責任は、最終的には外国企業に直接帰属することになります。なお、支店の名義で銀行口座を開設することができ、不動産の賃借をすることもできます。

外国企業が出資して日本に会社設立する場合

日本において会社(日本法人)を設立する場合、法律上定められた所定の手続を行った上で登記することにより、各種日本法人を設立することができます。(株式会社や合同会社(LLC)やLLPなど)。本国の外国企業が子会社を設立する場合は、本国の外国会社本体とは別個の法人となりますので、子会社(日本法人)の活動から発生する債権債務に対して、外国会社本体は法律に定められた出資者としての責任を負うことになります。
ちなみに子会社(日本法人)設立の他に、外国会社が日本法人を利用して対日投資や日本進出を行う方法としては、日本企業との合弁会社の設立、日本企業への資本参加、という方法もあります。
日本法人の社長や部長など経営者・管理職として来日される方は「企業内転勤」より条件の厳しい「投資・経営ビザ」を取得する必要があります。

有限責任事業組合(LLP)について

有限責任事業組合(Limited Liability Partnership)略称LLPとは、「有限責任事業組合契約に関する法律」により平成17年に制定された新しい形態の事業体です。
これは、民法上の組合の特例として創設されました。大きな特徴として、出資者は全員出資金の範囲でのみ責任を負うこと。事業目的が営利に限定されていること。法人と異なり、取締役会などの機関の設置が義務づけられていないこと。構成員それぞれに直接課税されることがあげられます。出資金に制限なく、1円以上であれば、いくらでもいいことになっています。株式会社同様、現物出資をすることも可能です。
組合員契約を締結するため、設立には2人以上の組合員が必要です。
有限責任事業組合は、有限責任事業組合契約書を作成し、組合員全員が署名・捺印し、その後、当該契約に記載された出資金全額を払い込み、または現物出資の給付を履行することにより、成立します。
出資の価額を限度とする、有限責任組合員のみで構成されている組合であり、株式会社と同じく、設立登記をすることにより、設立の効力が発生します。

LLPの登記手続

(1)登記申請人
組合員
(2)申請期限
主たる事務所を設けたときから2週間
(3)申請先
主たる事務所所在地を管轄する法務局の窓口
(4)登記事項
事業目的、組合契約書の主たる事項として、組合の名称、事務所の所在地、組合員の氏名・住所、組合契約の効力発生年月日、組合の存続期間、組合員が法人であるときの職務執行者の氏名・住所、組合契約書において、特に解散事由を定めたときは、その事由。
(5)申請書類
組合契約書、出資にかかる払込証、組合員が法人である場合には、当該法人の登記事項証明書、職務執行者の選任、・就任の承諾に関する書面、各組合員の印鑑登録証明書、代理人による申請の場合には委任状。
(6)登録免許税
6万円
(7)原本還付
LLPの登記申請にかかる書類は、すべて返却されないので組合契約書の原本の還付を受けるために、謄本を作成します。

合弁契約について

合弁契約とは、2つ以上の会社、または個人が、共同所有者となり、一つの会社、事業体を作り上げるための契約をいいます。
通常は二つの株式会社が株主間契約として、一つの株式会社を設立するために作成する契約をいいます。
この場合、設立される会社の定款は、合弁契約の内容と矛盾しないことが重要です。
外国事業者と合弁契約を締結する場合は、独占禁止法上の問題があります。
合弁契約の規定は、独占禁止法の各規定が規制しており、例えば契約に不公正な取引方法に該当する条項が含まれていれば、将来、改善命令または、排除措置命令の対象になり得ます。
日本国内において、国内事業者が外国事業者と合弁契約を締結し、合弁会社を設立した場合、外国事業者は、原則、「外国投資家」による株式の取得として、外為法の規定により、財務大臣および事業管轄大臣に対し、株式取得後15日以内にその取得の報告(一定の場合は事前届出)をしなければなりません。

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