日本での事業活動の拠点として、法人を設立する場合、日本の法律に基づいて、設立手続をすることになります。一般的に、「株式会社」を設立しますが、合同会社(LLC)などの形態をとることもできます。しかし、認知度、信用性の問題もあり「株式会社」が多いようです。
株式会社は「会社法」、「商業登記法」に基づき管轄法務局に登記申請を行い、設立後は税務署、社会保険事務所、従業員を雇用した場合は、労働基準監督署、公共職業安定所に届出が必要です。日本における代表者が、新たに本国から入国する場合は、投資・経営ビザの申請が必要になります。
@印鑑登録証明書もしくはサイン証明
(定款認証、登記申請の際に必要となります。)
日本では、記名をして印鑑登録をした印鑑を押印することにより、本人確認するのが一般的ですが、外国人の方の場合は、署名(サイン)することができます。
その場合は、本国の官公所が発行した「サイン証明」が必要となります。
※印鑑登録証明書は、居住地を管轄する市区町村役場に外国人登録をしてから、同役場に印鑑登録申請をすることにより発行してもらえます。
※印鑑証明書の印鑑は8ミリ以上25ミリ以内の規定があります。
印鑑証明書およびサイン証明は、発起人人数分+代表者の方は公証人役場と法務局に提出するため、2通必要です。
※サイン証明は自国でのみ証明書が発行可能な場合と、在日大使館領事部での発行が可能な場合があります。
※国によっては「サイン証明」の制度がない場合もありますのでご相談ください。
※親会社出資の子会社を設立する場合、親会社の登記簿謄本、会社印鑑証明書をご用意ください。
登記簿謄本がない国は登記簿謄本に代わるものとして本国の公証人の認証を受けた書面を発行してもらいます。証明書には@本店所在地A商号B目的C代表者が確かに代表権限を有することD代表者の氏名E設立準拠法などを記載します。
会社印鑑証明書の制度がない国の場合は、親会社代表者の本国の官公所が発行した「サイン証明書」発行してもらいます。
A代表者印
会社の代表者が、会社を代表して用いる印鑑で、会社登記申請の際に印鑑を届出ます。
個人印との兼用も可能ですが、一般的には会社名と代表取締役であることを刻みます。
新たに、発注する場合は、製造期間を見込んで発注しましょう。銀行印などは会社設立後に作ってもかまいません。
発起人を決める
株式会社の設立には1人以上の発起人が必要になります。
発起人の資格については、特に制約はりません。法人でも外国人の方でもなれます。
発起人は1株以上の株式を引き受ける義務があります。
本店の所在地の決定
会社の本店の所在地は定款に記載し、登記する必要があります。
本店の所在地は定款上では、最小行政区画まで決めれば足りますが、登記申請には地番まで決めることが必要です。
本店所在地についてはこちら
設立手続の方法を決める。
株式会社の設立手続には、「発起設立」と「募集設立」の2方式があります。
発起設立とは、発行する株式のすべてを発起人が引受、その発行価額の全額を払い込んだうえで、設立時取締役などを選任します。設立時取締役などは発起人の株式の引受と払い込みを調査する義務があり、これに基づき登記を申請します。
募集設立とは、会社設立に際して発行する株式のうち、発起人がその一部を引受、残りの株式について、出資者を募集して募集に応じて株式を割り当てます。
出資履行後、発起人は速やかに「創立総会」を開催して、設立時株主を招集し、議長の選任、創立事項の報告、定款の承認決議、設立時取締役、設立時監査役の選任を決議して、設立時取締役などは株式引き受けと、払い込みを調査し、設立手続を完了、これに基づき登記申請を行います。
なお、募集設立の場合、公募による設立は証券取引法上の届出が必要となるため、一般的には行われていません。
事前に応募者も割り当ても決めておく縁故募集が一般的です。
また、小規模会社の場合は、発起設立を選択するのが主流です。
類似商号の調査
会社の商号は定款で定め、登記しなくてはなりません。
会社法では、類似商号の規制がなくなりましたが、不正競争防止法上の問題があります。
商号について詳しくはこちら
事業目的の検討
会社の事業目的は定款に記載し、登記する必要があります。
適法性、営利性、明確性が求められています。
事業目的について詳しくはこちら
外為法上の事前届出の要否の確認
外為法上の対内直接投資として、日本銀行への事前届出が要求される場合があります。
行政官庁の許認可の必要性の事前確認
行政官庁の許認可が必要な事業の場合は、会社設立後、許認可申請手続が必要になります。事業の種類によっては、資本金額の条件などがあります。
資本金
株式会社の設立に際して、最低資本金制度が撤廃されました。
最低資本金制度について詳しくはこちら
資本金の出資方法
出資は現金でなされるのが原則ですが、有価証券、不動産、動産(自動車、機会設備)、特許権、商標権などを現金に代えて出資する。「現物出資」という方法もあります。
現物出資について詳しくはこちら
機関設計と役員の選任
新しくできた会社法では、株式会社は1人以上の取締役を置く必要があるほか、取締役会、会計参与(新しくできた制度です、取締役と共同して計算書類の作成を行う税理士など)、監査役、監査役会、会計監査人(公認会計士または監査法人)などを定款に定めることにより、置くことができます。
会計参与について詳しくはこちら
事業年度
通常は1年間を事業年度として会計処理を行います。
期末の棚卸し、決算作業の都合、親会社の決算期との関係などを考慮して決められます。
会社の決算は、決算作業と決算書類の作成、監査役の監査を経て、定時株主総会で承認されて確定します。原則として、営業年度終了後2ヶ月以内に確定した決算書類をもとに税務申告が必要のため、この期間内に定時株主総会を開催します。
株券の発行について
株券の発行は定款に「株券を発行する旨」の記載をしないかぎり発行されません。
株券の発行について詳しくはこちら
出資金を払い込む銀行の選定
出資金の払い込みは、日本国内の金融機関口座にお願い致します。
募集設立の場合は、銀行の払込金保管証明書が登記の際に必要になります。
@事前にお打ち合わせをして、 お客さまにご用意いただいた必要書類をお預かり致します。
A当事務所で申請書類一式を作成します。 書類作成後、ご郵送、ご指定の場所にて、お客さまにご捺印またはサインをいただきます。
B定款の認証
当事務所が公証役場へ定款認証手続を代行いたします。
(電子定款認証で行うため、印紙代4万円が免除になります)
C出資金の払い込み
日本国内の金融機関の口座に出資金の払い込みをお願いします。
出資金を払い込みした金融機関の通帳コピーをお預かりいたします。
D管轄法務局へ登記申請
お預かりした資料などを添付して、作成した書類を法務局へ登記申請いたします。
数日〜2週間ほどで、登記完了となります。
登記完了後、「登記事項証明書」をお渡しいたします。「登記事項証明書」はビザ申請の際に必要な書類になります。
(1)税務署
管轄の税務署に以下の届出が必要。
・「法人設立届出書」(設立の日から2ヶ月以内)
・給与支払事務所等の開設届出書(事務所開設から1ヶ月以内)
・「青色申告の承認申請書」(設立から3ヶ月以内かつ、会社設立の日の属する事業年度の終了日以前)
※青色申告が承認されると、所定の帳簿書類の備え付けなどを条件に、税法上の特別措置を受けることができます。(消費税2期分免除される場合などがあります。参照法令−消費税法第12条の2の適用について)
(2)都道府県と市町村の税務担当部署
法人設立届出または事業開始等申告書を以下のとおり提出します。
@本店が東京都特別区の場合
都税事務所へ「事業開始等申告書」を事業開始の日から15日以内に提出。
本店が東京都特別区以外の場合
市町村役場または都道府県税事務所へ「法人設立・設置届出書」を会社設立の日から1ヶ月以内に提出。
(3)労働基準監督署
労働者を1人でも雇った場合には労働者との雇用関係が成立するため、10日以内に所轄の労働基準監督署に対して、次の届出が必要になります。
ここで、労働者災害補償保険の手続をとり、事業所の労働保険番号を受けます。
●適用事業報告
●労働保険 保険関係成立届
●就業規則(常時10人以上の労働者を使用する場合)
(4)公共職業安定所
労働者を1人でも雇った場合は、その雇い入れから10日以内に、所轄の公共職業安定所へ次の書類を届出して、雇用保険の手続をとらなくてはなりません。
●雇用保険適用事業所設置届
●雇用保険被保険者資格取得届(労働者各人について)
(添付書類)
会社登記簿謄本(個人事業の場合は住民票
労働者名簿
(5)社会保険事務所
法人などの社会保険の適用事業所は、健康保険・厚生年金保険に加入しなければならないので、次の書類を社会保険事務所に提出します。
主な提出書類
●健康保険・厚生年金保険新規適用届
●新規適用事業所現況書
●健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
●健康保険被扶養者(異動)届(被扶養者がいる場合)
(添付書類)
・会社登記簿謄本(個人事業の場合は住民票)
・賃金台帳
・出勤簿
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